まだ独身の頃、音大の女性から結婚祝いに頂いたのが、LP2枚組の標記のアルバムだった。
長大な曲である。金融のサラリーマンだったので、なかなか通しでは聴けなかった。
独立して仕事を立ち上げてから、自分が癒しを欲している時に真っ先に針を落とすのが、このアルバムである。
初めて聴いた時に感じたことは、音大のピアノ科の人はこういう曲を当たり前のように聴いているんだな、ということだった。ラローチャというピアニストさえ知らなかった。
アルバムのライナーノーツを見ると、ラローチャは当時、イベリアを完全に弾ける唯一のピアニストだという定評だったらしい。
このブログを書くにあたって、プレゼントしてくれた彼女にメールで聞いてみた。イベリアの楽譜は見たことないが、ピアノ曲のなかで、どういう位置づけなのかと。 答えはシンプルであった。「超絶技巧曲です」
私の頭の中にある超絶技巧とは、ブーニンの演奏のショパン、英雄ポロネーズくらいであった。 英雄ポロネーズは派手で、俺は難しい曲を弾いているんだぞ、っていう感じもろ出しである。 このラローチャのイベリアは、彼女曰く、「難曲だと思わせない技術はさすがです」。 確かに、今まで聴いているときに、難曲だとは全く感じず、曲を鑑賞できた。
スペイン、アンダルシア地方の、「暖かく、感覚的で生命の力にあふれている、陽気でいて、悲しい組曲」を聴いてみてください。ラローチャの演奏で。
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