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書評コーナー
The sot-weed factor by J.Barth 酔いどれ草の仲買人
 今回、古本屋で、2冊揃の『酔いどれ草の仲買人』を手に入れ、読んだ。
大学時代に、A Nchor Books Doubledayの原書を読み始めたが、長すぎて、頓挫したもの。集英社の、新・世界の文学に入っているものである。
 その後、1冊本の全集が刊行されたが、これは寝転んで読むわたしの習慣には、向かない。

 アメリカのの千夜一夜が聴こえると、1冊本のコピーは、まさに的を射ている。
主人公 Ebenezer Cookeは、童貞であることを誓い、『イーリアス』ならぬ、メリーランドの叙事詩、『Marylandiadメリーランディアッド』を書くことも誓って、父の所領であるモールデンへと、小さき船で出発するのである。

 17世紀の物語であり、邦訳解説によると、Ebenezer Cookeは、実在した人物とのことであった。わたしは、当時のアメリカ史はよく知らないが、訳者は、物語そのものは、実在した主人公にインスパイアされた、全く架空の物語だと伝えている。
 著者の文学的想像力は、人並みはずれたもので、ただ、驚嘆する他ない。
 途中、『酔いどれ草の仲買人』という、実在の人物の書いた詩篇が地の文章に織り込まれているが、これにしても、バースの草したものの如く映るほど、スムースに全体におさまっている。
 主人公を取り巻く副登場人物たちも、ラブレー風の支離滅裂な体験をとおして、この物語を、アメリカの千夜一夜を立体的なものにしている。
Henry Burlingame-----双子の兄妹の家庭教師ということだが、変幻自在な、しかし、晴れやかな怪物的人物、蝙蝠のもも焼きまで食わせられる。
Joan Toast-----------------処女的娼婦、主人公の妻になるが、豚の飼育係をやらされたり、かわいそうな気もするが、笑いのほうが先に来てしまう。
Anna Cooke---------------双子の妹。従順な(in control)魅力の女性。兄を追って、モールデンまで来るが、Burlingameに恋している。これも、散々な旅を経る。

 この作品は、文学作品を堪能するのを、あたかも豪華なバーベキューを平らげるように味わわせてくれる。
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