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書評コーナー
支倉事件-------甲賀三郎
 推理小説を、夜就寝前にいつも読んでいる。
世界推理小説全集80巻を1年くらい前に入手したので、海外ものが多かったが、
このたび、久々に日本の、それも昔の推理小説の名作と言われている、「支倉事件」を読んだ。
 これは、読了するのにかなりの努力が要った。
 ぐんぐん読める、Japanese Dorothy Sayersこと、宮部みゆき氏とは大違いである。
努力が必要だった理由は、推理ものと言っても殺人事件は主筋ではなく、主人公の支倉の執拗な性格、執念深い行動の記述にほとんどのページが充てられていることである。
 最初に、聖書の窃盗騒ぎがあって、犯人が牧師の支倉だということになり、支倉が逃亡してから、これは面白そうだとなった。そして、神楽坂署の刑事たちの、支倉を捕まえるための必死の捜査が始まる。このへんまでは、何とか読めた。
 そして、いよいよ支倉が捕縛され、取り調べで、罪を自白する。
 これで、物語は終わりかと思った。通常の推理小説はここで終わりであろう。
 しかし、これまでは序章に過ぎなかった!!
 この後、支倉が自白を翻し、断固として冤罪を訴えて、裁判での罵詈雑言をまじえた無実訴えの記述が延々と続くのである。一向に物語が進展せず、いささか閉口・・・

 あとがきを読むと、この物語は、実際の有名な疑獄事件を題材にしているそうだ。
主人公の往生際の悪さを書きたかったのかな?
 性悪な奴ほど、往生際が悪いようだ。
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